自営業の男性とお付き合い、結婚するか悩んでいる人に読んでほしい
私ももうじき自営業になるのですが、ネット上でこんな書き込みをよく目にします。
- 自営業になると結婚できない
- 個人事業主と結婚したくない、リスクが高い
- 生活が不安定、老後のことが不安
- フリーランスと付き合って後悔した
女性から結婚相手として、自営業の男性はあまり良い印象を持ってない人が多かったです。
「やっぱりそうか〜」と思いつつも、読んでみるとけっこう間違っている知識も間違っていることもありましたので、記事にしてみました。
先に言っておきますが、リスクを減らしたいならサラリーマンとの結婚をおススメします(サラリーマンをしながら副業でしている人が一番いいと思います)
自営業と結婚する人の為の基礎知識
自営業に関する間違った知識が多かったので、とりあえず補足しておきます(もしも私が間違っていたらすいません…まぁ合ってると思いますが)
自営業って社長じゃない
会社組織(株式会社など)を作らないで、個人で事業を行っている人のことを自営業(個人事業主)っていいます。
- 個人事業主(自営業)…経費を除いた利益は全て自分のもの
- 法人(会社組織)…利益は会社のもの、そこから給料が払われる
誤解している人が多いのですが、「社長」「代表取締役」って名乗っている人は自営業ではありません。
そういう人は会社役員です。
自営業の人が社長、代表取締役と名乗ることはNGなのです(「代表」「CEO」「店長」などであればOK)
小さな八百屋の店長だって法人化すれば代表取締役って名乗れます。
社員が一人もいなくても、法人化すれば社長です。
合同会社など、ややこしい話は割愛します
ちなみにニートでも開業届をだせば、自営業です。
年商5000万、月売上200万円ってドヤ顔されても…実際いくら稼いでいるの?
- 俺って年商3000万円あるんだよね
- ラーメン屋やってて毎月売上が200万円もある
そんな男性にアプローチされて「この人と結婚したら専業主婦になれそう」って思ってしまう人はちょっと知識が足りません。
びっくりするかもしれませんが自営業にとって売上額なんて、あまり意味がないのです。
大切なのは「売上」から「経費」を抜いた「利益の金額」です。
毎月200万円の売上があっても、
- 麺や具の仕入れ…110万円
- 店舗の家賃…10万円
- アルバイトの人件費…30万円
- 電気ガス水道…10万円
- 広告費…10万円
- その他…10万円
売上が200万円あっても経費が180万円もかかってしまったら、利益はたった20万円しかありません。
その金額に税金もかかりますし、健康保険や国民年金も払わないといけません。
毎月売上が200万円あっても毎月赤字で貯金がどんどん減っている、借金が増えていっているって人もいます。
逆に売上が少なくても、経費がほとんどかからなければ手元に残る金額は大きくなります。
月の売上30万円でも経費が2万円しかかからなければ、利益は28万円残ります。
大切なのは売上ではなく、利益がどのくらい出ているかってところです。
見栄を張ろうと売上高や年商を語る人も
婚活などで見栄をはろうと売上や年商を自分の年収のように語る人もいますので、注意が必要です。
私は他人から聞かれたら「売上は○○くらいで経費率は○%くらい、年収だと○○円くらいですね」って答えます(めんどくさそうな人には嘘をつきますが…)
月100万円以上利益があったら法人化(社長)する人が多い
自営業や経営者が30人くらい集まる会に毎年参加しています(web、インターネット関連)
みんなの話しを聞いていると、安定して月の利益が100万円以上でている人は会社を作り、法人化して社長になっています。
そのほうが税金がかなりお得なんで、ほとんどの人が法人化します。
月200万円くらいまでなら「会社を作るのが面倒」と個人事業主のままでいる人にはあったことがありますが、毎月300万円以上利益がある人で自営業の人ってあったことがありません。
なので、「自営業で月収300万円」なんて人は、日本にはほとんど存在しないと思います。
経費使い放題っていうの間違い
自営業って経費使い放題なんでしょ?と言われることが多いのですが、そんなことはありません。
経費として使っていいのは事業に関連することだけです。
例えば釣り竿を買った、子供のおもちゃを買った…こんなのは経費にできません。
自宅で仕事をしている場合などは、家賃や電気代を経費で落とせますが、あくまで使っているスペース分のみ(3部屋あって1部屋だけ仕事で使っている場合、30%だけ経費として計上するみたいな感じです)
経費を使ったらお金が減ります。
経費で買ったらお金が減らないみたいな勘違いをしている人がいます。
経費で買ったとしても10万円のパソコンを買ったら、10万円のお金が減ります。
すごく当たり前のことですが、勘違いしている人が多いです。
パソコンを経費で買うことで利益が減る=収める税金が減るってだけなのです。
10万円のパソコンが実質20%引き(税金が減るので)で買えるみたいなイメージです。
経費=錬金術みたいな印象を持っている人がいますが、間違いです(法人になってくるとまたちょっと違うみたいですが)
経費で旅行なんてしたら従業員からの信用を失う
友達の勤め先で経営者の息子夫婦が経費で旅行をしていたのがばれて、社内からものすごいバッシングを受けたそうです。
- 経営者目線…俺の金なんだから好きに使っていいだろ
- 従業員…自分たちが頑張って出した利益、そんなことに使うなら給料上げろ
どちらの言い分もわかりますが、まぁこういうこともあります。
厚生年金に加入はできないが、老後の貯蓄をつくるのは可能
個人事業主(自営業)では厚生年金に加入できない、国民年金だけじゃ老後が不安なんて声がありますが、それは正解です。
国民年金だけでは生活費は足りません。
ですが、小規模企業共済やイデコなどを使って老後の為の貯蓄は十分できます(節税対策になるのでやっている人は多い)
しっかりと意識して貯蓄を行えば、特に問題はないと思います。
それにサラリーマンのように定年がないので、何歳まででも働くことができるのも大きなメリットです。
そのうち70歳まで働かないといけない時代がくるんじゃないかとも言われていますしね(60歳を超えてから再就職するのも大変ですしね)
自営業と結婚…リスクを減らしたいのなら貯金額に注目しよう
自営業の人と結婚を考える場合、私であれば貯金額に注目します(株への投資や積立金もOK)
たくさん貯金しているっていうのは様々なことがわかる、とても良い判断基準だと思いますしね。
- 事業での利益が十分あり、軌道に乗っている
- 貯金をしっかりしてる=堅実、浪費しない
- 事業が上手くいかなくなっても、貯金があればなんとかなる
貯金をしっかりしているってだけで、事業が上手くいっているかを判断できますし、その人の生活レベルやお金、将来に対する考え方も見えてきます。
あと一番大切なのが、「貯金があれば多少の事はなんとかなる」ってことです。
働かなくていいくらい貯金があれば、もしも事業が失敗して廃業することになっても普通に生きていくことができます。
サラリーマンだと働かなくてもいいくらい貯金をすることはとても難しいですが、自営業であれば現実的です。
収入が多いのに貯金がないのは危険
収入が多いのに貯金がない自営業の男性は結婚相手として考えるのはちょっと危険です。
- 生活レベルが高すぎる
- 収入が多いと嘘をついてる
生活レベルって上げるのは簡単ですが、下げようと思ったらものすごく大変でストレスがかかります。
売上や利益が減ったのに生活レベルを下げられなくて借金…なんて話もよくあります。
あと単純に「俺儲かってるぜ」と口では言っているけど、実は全然利益がでていない…嘘をついてる可能性もあります。
貯金はいくらあればいいのか?
年齢にもよりますが、運転資金抜きで2億円もあれば十分すぎます(貯金なので税金後のお金ですしね)
- 年333万円で60年過ごせる
- 年500万円で40年過ごせる
↑
明日から収入が0円になっても、2億円あればこのくらいは生きていけます。
そんなに貯金している人いないでしょ!って声が聞こえてきました。
まったくいないことはないのですが、現実的に考えるとそんな男性と出会えないですよね。
2億円はあくまで理想です。
ここからは現実的にいきます。
老後は年金もありますし、すぐに収入が0円になることはないので、2億円も必要ありません。
貯金2億円は最大値、それ以上はあってもあまり意味がないって感じです。
逆に事業が今後も上手くいくのなら、貯金は0円でも問題ないですが、多ければ多いに越したことはありません。
月の手取りが80万円あって、最低でも50万円は貯金に回している男性なら多少安心してもいいと思います。
小規模企業共済に加入していたらちょっとは安心できる
小規模企業共済というのは、簡単に言うと退職金や老後の資金を積み立ててくれる制度です。
大きな節税対策になりますし、それなりに利益を出している自営業の人なら入っていることが多いです。
- 生活費分以上の利益がでている
- 節税の知識がある
- 老後のことをしっかり考えている
事業であまり利益がでていなくて、今の生活でカツカツだったら小規模企業共済に入っている余裕はありません。
もしも毎月満額(7万円)で加入していたら「安定した収入がある人」って思ってもいいかもしれません。
借金がないに越したことはないが、自営業に借り入れはつきもの
借金がない自営業者はベストなのですが、銀行に借り入れをしている経営者はたくさんいます。
- 店舗などの初期投資
- 運転資金
銀行に借り入れがあるからといって、儲かってないとは限りません。
事業を回すために、返すことを前提とした計画的な借り入れは、企業経営では割と普通にあります。
ただ、計画的な借り入れとはいえ、事業が軌道に乗らなかったら自分に降りかかってきます。
ですので、基本的には銀行から借り入れをしていない人のほうが良いです
ただ、「売上が落ちて戻る気配がない」「仕事がなくてキャッシングした」こんな理由で借金をしている人はNGです
自営業1年目の人と結婚するのはリスクが高い
1年目ではまだまだ事業が軌道に乗っていませんし、初期投資や運転費用の借り入れをしている可能性も高いです。
起業して1年目は生活できるレベルの利益の確保が難しいのが現実です。
もしかしたら運転資金が足りなくなり、あなたの貯金を頼ってくる可能性もあります。
「いずれは結婚するんだし…」と、彼氏にお金を貸してなんとか窮地を乗り切れればいいのですが、乗り切れず事業が失敗する可能性も十分あります。
もしも貸すのなら、お金は戻ってこない覚悟はしておきましょう。
もしも自営業の男性と結婚するならある程度の知識をつけよう
もしも自営業の男性とお付き合い、結婚を考えているのなら少しだけでいいので勉強をしましょう。
とりあえずは経理(簿記)だけでいいと思います。
個人事業主の経理(青色申告なら複式簿記)は、ちょっとややこしくなった家計簿みたいなものです。
ある程度勉強すればできるようになります(最近はfreeeみたいな簡単なのもありますし)
数字のことがある程度わかれば、お金の流れや経営状態も把握できるので「結婚しても問題ないか」もより精度を上げて判断することができます。
勉強した経理や簿記の知識は結婚してからも使えます(もしも結婚して自分が経理をするのなら必須です)
奥さんが経理がやっている自営業ってめちゃくちゃ多いですしね。
サラリーマンもリストラや倒産がある、結局は確率の問題
自営業の男性との結婚を考えた場合、どんな男性ならリスクが低いのかを書いてみました。
ですが、今回書いたのはあくまで確率の問題です。
- 10年間安定の黒字経営だったけど、メインの客先から取引が打ち切られ赤字に転落
- 借金まみれの自営業だったけど、テレビで取材されて一気に売り上げが増えた
- 貯金は1億あったけど、赤字の補填をしていたら5年でなくなった
どんなにリスクの低い自営業の男性と結婚したとしても、将来何が起こるかわかりません。
これに関してはサラリーマンでも同じです。
一流企業に勤めているサラリーマンだって減給やリストラされる可能性はありますし、最悪会社が倒産してしまうこともあります。
ただ、自営業のほうが変化が大きいので、結婚して後悔する確率はサラリーマンよりも高いです。
「何かあっても対応できる力」をもってる男性と結婚しよう
人生って何が起こるか本当にわかりません。
どんなにリスクが低く、成功する確率が高い選択を選び続けたとしても失敗することだって普通にあります。
だったらいっそのこと、失敗するかもしれないことを前提に「何かあったときに変化に対応できる力を持った男性」と結婚するのが一番いい気がします。
- 頑張ったけど事業が上手くいかないから早めに撤退!再就職してガンガン稼ぐよ
- リストラされたけど、前よりいい会社に入って給料を上がったぜ
こんな感じで、もしも上手くいかなくても頑張って前に進んでいく力を持った男性なら、多少のことがあっても人生何とかなります。
それにそんな頼もしい男性なら事業で失敗する確率も低そうですしね。
逆に、
- 毎月赤字だけど、働きたくないから借金をしながらダラダラ続ける
- 会社が倒産した、プライドがある!いい年して面接受けて年下の部下に使われるとか無理
プライドが高かったり、変化することを嫌がる男性と結婚してしまうと、一度つまずいてしまった場合起き上がれないこともあります。
そうなってしまうと、収入も無くなって生活ができなくなってしまうリスクが高まります。
結論になりますが、条件で結婚相手を選び、リスクを減らすのも一つの手ですが、「いざとなったら何でもできる男性」を選ぶことが一番大切かなって。